自作のEAを開発し使用する中で、損切りのリスクや度重なる作り直しの手間を感じることは多いのではないでしょうか。
ある程度リスクを取りながら稼ぐ部分はEAや裁量取引を利用し、安定した収入の柱を増やすことでトレーダーとしてのレベルアップを狙うことができます。
その一例として、EAを使いたいトレーダー向けに自作EAを公開し開発者が取引手数料で稼ぐことができるプラットフォームを利用するという方法があります。
今回は、その中でも多くのEAが出品されており利用者数も多い「EA-BANK」へのEA出品方法や報酬について解説します。
目次
EA-BANKに出品した際の報酬は?
EA-BANKにEAを出品した際の報酬は、今まであったようなEA販売プラットフォームとは違う形態となっています。
報酬形態とその他の特徴について解説します。
EA-BANKの出品報酬概要について
EA-BANKでは、出品したEAの運用成績によって報酬が支払われます。
この報酬は運営の方で毎月総支払額が決められており、ここから運用成績に基づいてそれぞれの開発者に報酬が割り振られていくことになります。
例えば、EA-BANKに出品者AさんとBさんしかおらず、今月の報酬総支給額が100万円だとします。
Aさんは月間運用成績プラス3万円、Bさんが月間運用成績プラス7万円だとすると100万円がその割合に応じて振り分けられます。
そのため、Aさんの報酬は30万円でBさんの報酬は70万円ということになります。
月間運用成績については全てのEAが最低ロットで取引を行ったと仮定して計算されるため、利用者数が多いEAが有利というようなことはありません。
完全にEAの実力によって報酬額が割り振られるため、無名の開発者であっても大きく稼ぐことができる可能性が秘められています。
プラス成績のEAが少なかった月には、プラス成績を残したEAに普段よりも多くの報酬が支払われることになるため、荒れ相場を乗り切れるようなEAはかなり期待値が高いといえます。
複数のEAを出品している場合、すべてのEAの損益が合算されたものが運用成績だとされています。
出品者Aさんが扱うEA①が月間プラス5万円、EA②が月間マイナス3万円だった場合はAさんの月間運用成績はプラス2万円という計算になります。
この報酬は協賛FX会社から支払われるIB報酬の一部から支払われるため、一般ユーザーは完全無料でEAを利用できます。
一般ユーザーの母数が多くなればIB報酬も増える可能性があるため、EA-BANKは今後さらなる発展可能性を見込めるサービスだといえます。
一般ユーザーを増やすための施策
EA-BANKの報酬支払合計額は協賛FX会社からのIB報酬の一部から支払われています。
そのため、いかに一般ユーザーを増やしIB報酬を増やしていくかが報酬支払合計額を増やせるかに関わってくる重要なファクターとなります。
EA-BANKでは、一般ユーザーを増やすためにかなり多くのFX会社でEAを利用できるようにしています。
利用できるFXは以下となります。
- TitanFX
- Tradeview
- GemForex
- Traders Trust
- XMTrading
- Bigness
- MyFx Markets
- is6FX
- ThreeTrader
このように、一般ユーザーは様々なFX会社から選択することができるため、ユーザーとしては非常に嬉しい仕様となっています。
ThreeTraderはかなり狭いスプレッドで取引ができることで有名なため、主力講座として使用しているユーザーはかなり増えています。
GemForexをはじめとするボーナストレードが可能なFX会社であればユーザーは低リスクでEAの運用が可能なためEA-BANKの集客としては非常に有利な条件で行うことができます。
EA出品の条件が設けられている
EA-BANKには、EA出品に関する厳しい条件が課せられています。
- 直近10年間のバックテストが求められる
- 狭すぎるスプレッドでバックテスト結果をよく見せてはいけない
- 取引が少なすぎる過剰最適化は禁止
- ナンピンを除きストップロスの設定が必須
このように、劣悪なEAは寄せ付けないような条件が挙げられています。
直近半年前までの10年間のバックテスト結果の提出が義務付けられているため、ユーザーからしてみればある程度のドローダウンの見込みが立てられます。
さらに過剰最適化やテスト結果の誤魔化しは一切できないような仕様となっているため、しっかりと実力のあるEAしか出品を許されません。
さらに、全EAのフォワード結果が常に計測され公開されているため、ユーザーファーストな設計となっていることがわかります。
EA-BANKへの出品方法は?
EA-BANKへの出品方法をご紹介します。
EA-BANKではまず出品申請を行い、承認され次第新規出品を行うことができます。
EA出品申請の流れ
EA-BANKでは出品申請までの流れが多少手間のかかる作業となっています。
おおまかな流れは以下のようになっています。
- auth.mqhファイルをダウンロードしてIncludeフォルダに入れる
- 出品したいEAをEA-BANK専用EAに修正する
- 専用フォームからEAを送付する
- 事務局による一次審査
- EA詳細ページにEAの詳細を記載する
- 事務局による二次審査
まず、出品申請をするためには出品したいEAをEA-BANK用にカスタマイズする必要があります。
この作業は全てのEAに共通するものですので解説していきます。
1.auth.mqhファイルをダウンロードしてIncludeフォルダに入れる
1.以下のURLからauth.zipファイルをダウンロードします。
https://ea-bank.com/mqh/ver1.3/auth.zip
2.auth.zipを解凍しauth.mqhにします。
3.MT4の「ファイル」→「データフォルダを開く」をクリックします。
4.「MQL4」→「Include」フォルダに移動します。
5.auth.mqhを「Include」フォルダに入れます。
2.出品したいEAをEA-BANK専用EAに修正する
1.「mq4ファイル」の1行目に以下のコードを記入します。
2.「mq4ファイル」のint OnInit(){ の直下(最上部)に以下のコードを記入します。
3.「mq4ファイル」のvoid OnTick(){ の直下(最上部)に以下のコードを記入します。
4.コンパイルします。
以上の作業でEAがEA-BANK専用EAにカスタマイズされました。
次はカスタマイズしたEAを新規出品する流れをご説明します。
EA新規出品の流れ
EAのカスタマイズが済んだらEAの新規出品を行います。
1.右上の「EA新規登録」をクリックします。
2.管理情報を入力します。
EA種別の項目は「通常EA」か「ナンピンEA」を選択します。
トラップ&リピート系やマーチン系のEAも「ナンピンEA」を選択してください。
マジックナンバーについて、複数の番号を持つEAの場合は画像のように「,」で区切ってください。
3.EA設定情報を入力します。
EA作者名について、他の作者を偽ったり複数の名義を使い分けることは原則禁止となっています。
これが原因でEAの出品審査に落ちてしまうこともあるので注意しましょう。
作者名・EA名については後から変更することはできません。
商品本体の欄にはEAファイルをzip形式で貼り付けてください。
バックテストに関しては、直近半年前までの10年分以上のデータをhtmlファイルとgifファイルで提出する必要があります。
4.確認→登録とクリックします。
EA出品登録が完了するとURLが発行され、遷移先のページにEAの説明を記述することになります。
パラメータ設定値の説明等を細かく記述するユーザーファーストな姿勢が求められます。
説明を登録すると二次審査が行われ、合格すると晴れて出品完了となります。
実際にEA-BANKで出品した人の口コミ紹介
ここでは、実際にEA-BANKにEAを出品した人の口コミをご紹介します。
https://twitter.com/bankofea/status/1623776800693436417?s=46&t=6okzrok9a2Tge5M4V-8mdw
EA-BANKはEA出品までの手順が多く、審査も時間がかかるため最初の設定が多少手間に感じる出品者もいるようです。
しかし、一度出品してしまえば安定稼働を見守るだけなので初期設定はしっかりしておきましょう。
EA-BANK、さっき検証したものからさらに検証して厳選完了っ
— かんこ@FX裁量&EA (@kakkou_coin) February 4, 2023
RFを特に気にして作成、
2020年からはもちろん、今年からの成績も右肩上がりになるように調整。
来週からはこれで行く!!#EABANK pic.twitter.com/2ap4lhHoht
出品前のバックテストをしっかり行わないと出品できないため、巷にある謎の新興EAよりも慎重に検証されている方が多いようです。
今月のランキング報酬やばすぎ… pic.twitter.com/yLRj4hQIk1
— KØW (@kowblog_com) December 6, 2022
トップレベルのEA出品者になると、月間100万円以上の報酬が支払われています。
多くのEAを運用し、しっかりと成績を残すことができればかなりの金額をリスクなしで稼ぐことが可能だとわかります。
EA-BANKの報酬実績紹介
EA-BANKでは、毎月出品者報酬ランキングトップ3と、トップ3の平均報酬額が公開されています。
トップ3の平均報酬額は20〜30万円程度が平均値だそうです。
多い時には平均60万円を超えるような平均報酬額を叩き出しており、月によってかなり大きな開きがあることがわかります。
これはあくまで平均報酬額になるため、先述の通りトップ開発者は100万円を超える報酬を受け取っている月もあるようです。
報酬は月間でプラス損益を残したEAにしか配分されないため、いかに勝ち続けられるEAを作成するかが大切になってきます。
ユーザーは「利益ランキング・プロフィットファクターランキング・リカバリーファクターランキング」という項目からEAを選ぶことが多い傾向にあります。
そのため、認知度の無いEAであっても安定稼働させてランキングに載せることができれば凄腕EA開発者として他のビジネスにもチャレンジするチャンスを得ることもできます。
EA-BANK出品まとめ
今回は、EA-BANKの報酬の概要や実際の数字、出品方法について解説しました。
よくあるEA販売やEA利用サービスと違い、例え無名の開発者やEAであっても実力さえあればどんどん報酬を受け取れるサービスであることがわかりました。
そのため、安定稼働している自作EAを持っている人や安定収入の柱を増やしていきたいと考えている人はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。